Yoshikawa Mae from India 吉川めいのほぼ月イチ インド発見記
[12月]初めてのインド映画
先日、バンコクへ向かう飛行機の中で初めてインド映画を観ました。
そう、何年か前に日本で大ブームした『踊るマハラジャ』さえちゃんと観たことがなくて、本当に初めてだったんです!

インド映画はとても長いことで有名ですが、正直なところ、個人的には一本の映画が3時間ともなると、
エンターテインメントとしてはコミットメントが大きすぎるというか、逆に困ってしまうので避けていました。

しかし、昨年からヒンディー語を学ぶようになり、インド映画や歌が気になっていました。
今回機内で上映していたインド映画は約2時間と比較的短めだったので、お勉強も兼ねて観てみました。



『Ekk Deewana Tha』という若者たちのラブストーリー。
ムンバイを舞台に、サチンという名の映画監督を目指している21歳の男性が、
借り家の大家さんの娘である22歳のジェッシーに一目惚れ。
ジェッシーの家族はケララ州の出身で、熱心なキリスト教徒。
サチンはヒンズー教の平均的家庭に育った男性なので、二人の恋愛は宗教的な理由で非常に難しいのです。

基本的に恋愛結婚が少なく、両家のセッティングによるお見合い結婚が主流であるインド文化において、
映画の世界ではこのような宗教間、あるいはカースト間の恋愛をドラマ化するテーマがとても多いので、
インド映画を初めて観た私は然程驚かない内容でした。

しかし、この映画の中で、ジェッシーの方が1歳年上である、というところが「引っかかりポイント」になっていて、
それにはちょっと驚きました。
1歳ぐらい別にいいじゃない、と普通に思ってしまうのですが(笑)、
これがストーリー展開に関わってくるところが、何ともインド映画らしいと感じました。



ヒンディー語を勉強していると、当然ピュアなヒンディー語を学ぼうとするのですが、
実は実際インドで日々使用されているヒンディー語がピュアであることはほとんどありません。

インドは州や民族によって言語が異なるので、ほとんどの人が複数の言語を知っています。
ローカル言語+国家言語のヒンディー語、教育を受けている人は英語も堪能で、その上他の民族の言語もわかる、
という人が数多くいます。
となると、会話の中では最もコミュニケーションに便利な言葉が活用されるのです。



『Ekk Deewana Tha』も、インド映画と言っても、半分ぐらいインド英語が混ざっていて、
ケララ州のシーンでは州言葉のマラヤラムも飛び交ったり。

ジェッシーの叔父にあたる登場人物が、主に英語やマラヤラムを使うけど、サチンに話すためにヒンディー語を使おうとすると、それがあまり正しくないことが映画の中でコミカルに描かれていました。
そんな言語にまつわるコミックリリーフも、非常にインドらしい作りだなぁと、私は感心しました。

日英バイリンガルの家庭で育った私にとって、このようなことは決して不思議なことではありませんが、
実際の活用法としてヒンディー語がどのような場面で、どのようにして英語と混ぜ合わされているか、
とても参考になりました。



世界中を旅していると、国境は定まっていても、民族(人)は各地に入り交じっているので、
言語を柔軟に使用することの方が多いと感じます。
日本のように島国で、単一民族で単一言語の方がむしろ珍しい。
グローバル化が進む今、ジャパニーズ・ピープルにも柔軟な言葉の使い方が馴染むようになったら、
暮らしや考え方ももっともっと柔軟になって、きっと更に豊かで楽しくなるのではないかと思います。



※映画『Ekk Deewana Tha』が気になる方はこちらのサイトをチェックしてみてください。
映画オフィシャルページ:http://www.ekkdeewanatha.com/
ウィキペディアページ:http://en.wikipedia.org/wiki/Ekk_Deewana_Tha