Yoshikawa Mae from India 吉川めいのほぼ月イチ インド発見記
[11月]OLD SHALA
通称「オールド・シャラ」と呼ばれる、幻の場所。
私のヨガの恩師であり、現代ヨガの父とも呼ばれるグル、 シュリ・K・パタビジョイス氏が、1948年よりアシュタンガヨガを伝えてきた場所です。


最初は、最愛の妻と3人の子供たちと暮らしていた家の一角でヨガクラスを開催するようになり、
その後1964年にヨガルームを増設した場所です。
南インドのマイソールという街の、ラクシミプーラムというとても庶民的なエリアにあるシャラ(=スクール、道場)です。


ヨガのためだけに増設されたスペースでも、12枚のヨガマットを敷いたらいっぱいになってしまう小さなお部屋。
この場所は、アシュタンガヨガの練習生にとっては、とても特別な、歴史深い場所です。
なぜなら、この場所があったからこそ、グルジがアシュタンガヨガの教えを脈々と伝授していく「ふるさと」ができたからです。


グルジがこのシャラを最初に作った頃は、ヨガの治癒力を伝えていきたいという意思があったそうです。
最初はローカルのインド人ばかりだったスクールに、1960年代後半から初めて西洋人が訪れるようになり、
そこから世界中にアシュタンガヨガのメソッドが広まっていくようになりました。


アシュタンガヨガの練習生であれば、名前を耳にしたことがあるであろう、
デビッド・スウェンソン先生やナンシー・ギルゴフ先生等も、
1970年代からこのスクールにてグルジから直接指導を受けるようになった最初の生徒たちです。


現KPJAYIのディレクターであり、グルジのお孫さんにあたるシャラート先生も、
ティーネージャーの頃この場所でグルジからアシュタンガヨガを教わり、
19歳からグルジと一緒にアシスタントとして指導を始めました。


この小さなスペースにグルジとシャラート先生が2人体制で指導にあたっていたわけですから、練習生にとっては、今でこそ幻のような(!)濃厚なプラクティスの場であったはずです。

その後、世界中から大勢の生徒が集まるようになったグルジのスクール、旧Ashtanga Yoga Research Institute(現Krishna Pattabhi Jois Ashtanga Yoga Institute=KPJAYI)は、2003年に現在のゴクラム地区に移り、オールド・シャラ練が習道場として使用されることはなくなりました。


新しいシャラ(「New Shala」)は、一度におよそ60名ほどの生徒が入れる大きなスクールとなりましたが、今でもマイソールを訪れるアシュタンガヨガ練習生は「オールド・シャラ」を見学に訪れています。



何にもない小さなお部屋なのに、すごく静かなパワーに溢れている場所。
「気」は「空間」に溜まっていくと言われますが、この場所は、アシュタンガヨガの「お寺」といった雰囲気を感じさせてくれます。
改めて、ヨガを練習するために「スペース」の重要性を感じずにはいられません。