Yoshikawa Mae from India 吉川めいのほぼ月イチ インド発見記
[11月]おもしろインド発見記 「知られざるガルワール地方」
インドは、国土面積が日本のおよそ9倍あるという大きな国です。ひと言で「インドへ行く」と言っても、北インド・南インド、州や地方によって人々の文化や暮らしはだいぶ異なります。

以前雑誌『Yogini』のエッセイ「YOGAと出会ってから」にも書きましたが、私は今年の4月〜5月にかけて、ガンガヤトラというとても特別な巡礼の旅に出かけました。ガンジスの聖地を、その源であるヒマラヤ山脈の氷河まで登る道のりでは、私としても初めての地方へと侵入しました。

首都ニューデリーから電車か車でリシケシまで5〜6時間。リシケシから北は山地に入り、ものすごい山道で利便性も悪くなるため、ここから先はあまり一般観光客を見かけなくなります。




リシケシから北に広がるウッタランチャル州北部の山岳地帯を、ガルワール地方と呼びます。ここでは、他とは違ったおもしろい文化が今もなお受け継がれています。

ガルワール地方はヒマラヤ山脈の静けさに囲まれ、農業や羊刈りが生活の中心にあります。人々の暮らしは非常にシンプルで、古くから変わらない生き方が残っているようです。インドでは基本的に女性は膝や肩を隠す服装をするのですが、この地方の女性は長袖+足首まで長いスカートを着ており、髪の毛も長〜く伸ばしている、とてもコンサバな装いが一般的です。だからこそ、この地方で歴史的に一人の女性が複数の男性と結婚する習慣があると聞いた時はなおさら驚きました。

ガルワール地方は聖なる山々への入り口でもあり、人々は信念深いです。このような平安な環境、シンプルな暮らし、広がる自然の中で芽生える、人間の人間らしい感情。その多くのものがガルワール地方では歌やダンスで表現されています。フォルクダンスや歌はガルワールの暮らしとストーリーを生きて伝える伝統そのものであり、お祭りや大切な行事などに行われるパフォーマンス以外にも、今日においても女性は農作業をしながらフォルク・ソングを口ずさんだりするそうです。このようにして伝統は今も守られ、受け継がれています。その中には、この地を愛するガルワールの人の思い、シンプルな暮らしへの感謝、そしてこの究極なシンプルさを楽しんでいる様子がよく伺え、私は感動を覚えました。




私たちは巡礼の旅のさなかローカルの方に誘われ、数多くある伝統舞踊や曲、そして太鼓の演奏からいくつか見せていただきました。とても貴重な体験だったので、そのムービーをぜひご覧ください。

ガルワール地方「カップル・ダンス」
通常インド、特に地方の保守的なエリアでは男女が人前で触れ合ったりすることは無いのですが、このガルワール特有のカップル・ダンスは、シンプルに心を惹かれあう男女の喜ばしい様子を表現しています。

ガルワール地方の太鼓の演奏
ダンス中は静かに横で太鼓をたたきながら見守っていたガルワール男性が、太鼓のパフォーマンスになったら大暴れ!太鼓の振動は地球を奮い起こすかのように響き、その中を飛び舞うように男たちはリズムよく跳ねていました。