Yoshikawa Mae from India 吉川めいのほぼ月イチ インド発見記
[10月]おもしろインド発見記◆ 屮ぅ鵐豹佑脇がいい?!の巻」
少し前に、日本では「インド式数学」というものがすごい話題になりました。
テレビなどのメディアでも取り上げられ、インド式数学法についての本はベストセラーになったほどです。
きっと、これをきっかけに「インド人は頭がいい!」という印象をもっている人も
少なくないのではないでしょうか。

私は2004年にインドに初めて行ってから、毎年年間のうち約3分の1を向こうで過ごしていますが、
実際に住んでいても「インド人は頭がいい!」と感じる時があります。

大学で工学を先行する若者や、近年著しい急成長を続けるIT企業に努める人も少なくありません。
それに、インドの学校で指導される計算式が特殊なのは確かです。いわゆるインド式数学の源は古来インドに
伝わるヴェーダという文書にあり、アーユルベーダ医学やヨガの知恵と根源は一緒なのです。

しかし、インドに暮らしていて普段の生活の中で数学に触れることはあまりありません。
せいぜい、近所の八百屋やかどやで買物をした時、おじさんが紙に書いて足し算をするぐらいかなぁ。
こんな時、インド式もなにも、おじさんの計算は普通式だし、全然早くないし、
しかも時々間違っているのでこちらから指摘します(笑)。どの国でも得意不得意の個人差はあるでしょうが、
日本全国の駅のキオスクのおばさんはかなりレベルが高いと思うし、また日本にはそろばん文化があるので、

脳内でそろばんが見える方はとても暗算が早いのではないかと思います。

私がインド人はすごい!と感じるのは、数学とは違って、言語の面なのです。島国の日本とは違って、
国境の近いヨーロッパの方が複数の言語をしゃべれるのと同じように、インド人もほとんどの人が
二つ以上の言語をこなします。

インドは州によって言語が異なる国です。インドの州の言葉は多様で、
イタリア語とスペイン語のように近い言語もあれば(うーん、ちょっと無理矢理かもしれないけど、
標準語と大阪弁ぐらいの近さかな?)、似ても似つかないまったく異なる言葉もあり、
口頭だけではなく、筆記の文字も異なります。あまり耳にすることはないかと思いますが、
インドの州の言語には、ウルデゥ、タミル、グジャラティ、マラヤラム、ベンガリ、プンジャビ、
テルグやカシミリなどと言った言語があります。
お寺の建物に書いてあった文字。これは聖典からのサンスクリット語の言葉ですが、サンスクリット語とヒンディ語は同じデヴァナギリの活字を利用します。ヒンディ語はフォーマル(丁寧語)になればなるほどサンスクリット語に近づき、またウルデゥ語はアラビア語よりのヒンディ語だそうです。
お寺の建物に書いてあった文字。これは聖典からのサンスクリット語の言葉ですが、サンスクリット語とヒンディ語は同じデヴァナギリの活字を利用します。ヒンディ語はフォーマル(丁寧語)になればなるほどサンスクリット語に近づき、またウルデゥ語はアラビア語よりのヒンディ語だそうです。

インドの国家言語はヒンディ語ですが、州間のやりとりや、大学以上の教育は基本的に英語で行われています。
よって、テレビのニュースとかも英語のものが結構あります。

例えば、うちの近所の小学生の女の子、Pちゃんの場合。
幼いころはまず家で使われている州の言語をまず覚えます。私たちが住んでいるカルナタカ州はカンナダ語です。
また小さい子どもたちは日本の子と同じように、よくテレビでアニメなどを見ますが、テレビは主に
ヒンディ語なので、こうして自然とヒンディ語も身についていくようです。

学校の授業は一般的に州の言語で行われるのですが、インドの場合、第二外国語のクラスが始まるのは
小学校低学年から(!)。Pちゃんの学校では、英語かサンスクリット語を選択できるそうで、
Pちゃんはサンスクリット語を選択しました。しかし、学校では英語も多く使われるそうで(高校や大学への準備もあって)
まだ10歳のPちゃんの英語は彼女の両親よりも遥かに流暢です。

このため、教育を受けているインド人は少なくても3つの言語をこなす方がほとんどです
(州の言語、ヒンディ語、英語)。また、都市部で暮らし、勤める人の多くは
州の言語も複数知っている方が多いので、都市部では4〜7つの言語を理解できるという人も
めずらしくありません。
カルナタカ州マイソールの新聞は、カンナダ語のものが主です。
カルナタカ州マイソールの新聞は、カンナダ語のものが主です。

手書きのカンナダ語は、一見ただのくるくるの落書きに見えます!
手書きのカンナダ語は、一見ただのくるくるの落書きに見えます!

日本の感覚から言ったら、びっくり仰天ではないでしょうか?
言葉はコミュニケーションのためにあるもの。発音とか文法とか、細かなことにこだわりすぎず、
積極的に使ってみるのが一番だと思います。